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2008年6月2日
温暖化の「異説」相次ぐ 「CO2主因ではない」「寒冷化の可能性」指摘 日本地球惑星大会
「地球は近く寒冷化する可能性がある」「温暖化は二酸化炭素(CO2)の増加ではなく自然変動で説明できる」――。このほど千葉市で開いた日本地球惑星科学連合大会で、地球温暖化の科学や対策のあり方が討論され、学会で従来あまり語られなかった「異説」が次々に披露された。
「地球温暖化問題の真相」の名で三日にわたって開いたセッションでは、地球科学の第一線の研究者らが口頭発表。
丸山茂徳東京工業大学教授は、宇宙から地球に降り注ぐ放射線の増減に連動して雲の量が変わる仕組みを紹介。放射線の進入を妨げている地球の磁場や太陽風が今後弱まるとみられるため、雲の量が増えて気温が下がり、「2035年に最も寒くなる」と予想した。
赤祖父俊一・米アラスカ大学名誉教授は、「近年の気温上昇の傾向は1800年以前までさかのぼることができ、大半は自然の変動とみなせる」と指摘した。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が依拠する温暖化のCO2主因説とは異なる見解も多く、IPCCを支持する研究者から強い反論が出た。温暖化の原因や気候予測を巡る科学者の論争は米国などで活発だが、日本でも同じ構図が出てきた。
丸山教授は「温暖化と寒冷化のどちらが正しいか、今後5〜10年で決着が付く」と言い、「将来への備えとしては温暖化より困難が大きい寒冷化シナリオを視野に入れるべきだ」と訴えた。
日本経済新聞 2008. 6. 2より