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2007年4月10日
温暖化、全地球に影響 国連パネルが報告採択 湿地30%削減 動物30%絶滅も
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第二部会は6日、温暖化が「地球規模で目に見える影響を及ぼし始めた」とする報告書をまとめた。将来的に海面上昇や洪水で年間に数百万人が被害にさらされる恐れがあると警告。平均気温の上昇幅を1990年比で2〜3度に抑えなければ世界的に損失が拡大すると警鐘を鳴らした。
IPCC第二部会には世界約百十カ国の代表らが参加し、温暖化がもたらす影響について討議した。6日に採択した報告書では温暖化ガスの排出など、人間の社会活動が温暖化の原因になっていると指摘。地球上のすべての大陸と海洋がすでに温暖化の影響を受けていると明記した。
報告書はアジアのデルタ地域や島国などで洪水や海面上昇、暴風雨などによる損害が増加する恐れがあると分析した。世界的に沿岸部にある湿地の最大30%が消失するという予測を盛り込んだ。さらに氷河の縮小で河川に流れ込む水量が減り、気候変動に伴う干ばつなどもあって水不足が深刻化し、穀物生産が落ち込んで食糧難の恐れが出てくるという。
温暖化の進行は生態系にも影響を及ぼす。報告書は「(動植物の)種の最大30%で絶滅リスクが高まる」と予測。海水温度の上昇でサンゴ礁が広範囲にわたって衰退するほか、漁業にも影響を及ぼすと指摘した。
〔日経新聞〕 2007年(平成19年)4月7日