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2006年12月19日
国産丸太の需要回復 輸入材高騰で割安に
スギやヒノキなど国産丸太の需要が長年の低迷を脱し、回復している。競合する輸入材が中国やインドの旺盛な買い付けや産地の伐採規制を背景に高騰、国産材が割安になったためだ。木材を大量に消費する合板や柱のメーカーが生産コストを抑えるため、調達を増やし、来年中には大手では国産材比率を三割以上に増やすメーカーもある。<中略>
日本が最も多く輸入するロシア材は九月以降、過去最高値を更新。五年で六割以上高くなった。経済発展が続く中国などが高値で買い付けているためだ。マレーシア産は資源保護のため伐採規制が強化され、ほぼ十年ぶりの高値圏になる。国産材は長年の需要不振で一九八〇年をピークに現在は三分の一の水準まで値下がりし、「輸入材より三割ほど安い」(合板メーカー)。
割安感が支持され、国産材総需要量は二〇〇五年、前年比三・八%増の千七百十七万六千立方メートルと三年続けて増加した。「需要は本格的に底入れした」との見方が多く、今年も前年を上回る公算が大きい。
林野庁によると、木材の自給率は〇五年に二〇・〇%となり、七年ぶりに二割に達した。〇二年の過去最低だった一八・二%から上昇してきていることもあり、木材業界では「国産材需要の増加で、林業の復活が進む兆しが出てきた」としている。
〔日本経済新聞〕 2006年(平成18年)12月18日