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2020年7月27日

換気 今、風に


 新型コロナウイルスの影響で、家の中の換気について関心が高まっている。風を取り入れられる窓付の玄関ドアや、玄関に取り付けられる網戸、空気を循環させるサーキュレーターなどが人気だ。わが家に合った商品を上手に活用したい。


 茨城県つくば市の原田敏子さんは2年前、長屋タイプの集合住宅をリフォームする際、風を取り込む窓付のドアを玄関に取り付けた。費用は工事費を含めて約50万円だった。


 ドアには高さ2m、幅24cmの「採風窓」が設けられている。採風窓の戸を開けると、ドアを閉めたままでも風が通る。開口部には網戸がついており、開けた戸の角度を調整すれば外を歩く人の視線を遮ることもできる。


 原田さんは夏の間、家にいるときには採風窓を開けっ放しにしているという。「風を取り込んで換気できるため、コロナウイルスを心配しなくてもすむ。思い切ってリフォームしておいてよかったです」と声を弾ませた。


 施工した同市のリフォーム会社「つくば住生活」の小松崎尚幸さんは「ウイルス対策だけではなく、玄関のにおいがこもらないなどのメリットもあります」と話す。


 このドアを製造するLIXIL(東京)によると、自然に換気ができるため、採風窓が付いた玄関ドアへの関心が高まっているという。


 玄関に網戸を取り付け、虫が入るのを防ぎながら換気する方法もある。三協立山(富山)は6月、ドアを開けた玄関や勝手口に取り付けられる「てまノン網戸」を発売した。約1時間の簡単な工事で取り付けられる。磁石で隙間なく閉じることができ、取り外して洗うこともできる。


  風を送って部屋の空気を循環させるサーキュレーターも、換気に役立つと人気が高まっている。


 アイリスオーヤマ(宮城)によると、サーキュレーターの売上高を昨年と今年の6月で比較すると、2.5倍の大幅な伸びとなった。


 窓が1箇所しかなく、風通しの悪い部屋でも、開いた窓に向けてサーキュレーターを置き、外に向かって風を送るといい。室内の空気が外に押し出され、新鮮な外気が入ってくる。同社広報室の羽鹿奈々さんは「同じサイズなら、扇風機よりもサーキュレーターの方が、風量が多くて風速が強く、より換気の効果が期待できます」と勧める。


 住宅リフォームコンサルタントの尾間紫さんは「ウイルスだけではなく、部屋の中にたまっているほこりなどを屋外に出すためにも換気は重要です」と強調する。


 ただ、最近の住宅は気密性が高く、換気のために窓を開けると、気圧の変化や風のために室内ドアが急に閉まることがあるので注意が必要だ。尾間さんは「急にドアが閉まると、指を挟んで怪我をする恐れがあります。窓を開ける前には室内ドアを閉めたり、ストッパーで固定したりしておいてほしい」と呼びかけている。



       2020727日 読売新聞

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