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2017年7月24日

健康寿命2年の違い

 健康的な生活習慣の人とそうでない人で、自立した生活が送れる「健康寿命」に最大で2年の違いがあることが、厚生労働省の研究班の調査で分かった。65歳以上の人を9年間にわたり追跡調査。健康的な生活をした場合は、要介護になったり亡くなったりするリスクを半減できることが明らかになった。
 2006年12月、宮城県大崎市で65歳以上の住民に生活習慣などに関するアンケートを実施。要介護認定の情報提供に同意するなど、条件を満たした9746人について9年間にわたり追跡調査した。
 研究班は「健康的な生活習慣」の判断材料として(1)たばこを吸わないか禁煙して5年以上(2)1日に平均30分以上歩く(3)平均睡眠時間が6〜8時間(4)野菜を多めに取る(5)果物を多めに取るの5項目を検討。
 該当するのが0〜1項目だった人は「身体機能の低下なし」が62.5%だったのに対し、5項目すべて該当する人は87.2%だった。
 また、5項目該当する人は0〜1項目の人と比べて、死亡したり要介護認定になったりするリスクが半分程度ということが分かった。
 健康寿命について解析したところ、0〜1項目の人との差は、2項目で11.5か月、3項目で17.4か月、4項目で23.9か月、5項目で25.4か月という結果が得られた。
 政府は2020年までの10年間で健康寿命を1歳以上伸ばす目標を掲げている。研究班の代表を務める辻一郎・東北大教授(公衆衛生学)は、「生活習慣を改善すると健康寿命がどれだけ延びるか、客観的なデータを提示することができた。政策提言に加え、国民に生活習慣改善の必要性を広く伝えていきたい」と話している。


    2017年7月24日 日本経済新聞

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