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2017年5月20日
認知症の疑い 嗅覚検査
エーザイは人の嗅覚を利用して認知症の兆候をつかむ簡易検査キットの販売を始めた。認知症は一部で、初期段階に臭覚異常を起こすと分かっている。正確に臭いを把握できない人を発症の疑いがあるとして注意を促す。高齢化によって認知症患者が増えるなか、迅速な検査法の導入によって、早い段階で医師の診察を受けてもらうことにつなげる。
エーザイは米ペンシルベニア大学が開発した手法「アップシット」に基づいた嗅覚異常の検査キットを発売した。シートを嗅いでもらい、どんな臭いだったか4種類から選んでもらう。正確に回答できなかった場合、認知症をはじめ体の異状を疑ってもらう。
シート10枚入りで約1万円。一般販売はせず主に自治体への販売を見込んでおり、健康相談といった高齢者ケアなどに役立ててもらう。こうした簡易検査キットはまだ珍しいという。最近の研究で、認知障害が発症する20年ほど前から脳細胞の衰えが始まり、嗅覚障害や不眠、うつ症状が出ることが分かっている。国内の65歳以上のうち認知症患者は2012年に約462万人で、25年には700万人を超すとされている。
2017年5月14日 日本経済新聞