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2015年6月14日
生コンクリート取引価格上昇
コンクリート構造物に使う生コンクリートの取引価格が東京市場で一段と上昇した。全国最大規模の東京地区生コンクリート協同組合(東京・中央)が値上げを強硬に迫り、買い手のゼネコンが安定調達を重視する立場から受け入れた。
「値上げを拒否しきれなかった」。大手ゼネコンの購買担当者は交渉をこう振り返る。受け入れの背景にあるのは東京市場の生コン需給の引き締まりだ。ゼネコンは値上げ拒否を続けて調達に支障が出るのを恐れた。
新価格は1立方メートルあたり1万3500円前後で1か月前より100円(0.7%)高い。
東京地区生コン協組は昨年6月受注分から1000円の値上げを打ち出していた。主原料の骨材(砕石や砂)が値上がりしており製品価格に転嫁する狙いだ。
骨材価格は昨年まで大幅に上昇している。上げ幅は値上がり前の2012年から2割程度。骨材業者が長年の収益低迷を取り戻そうと値上げに取り組んだ。骨材業者の採算は最近の電気代や輸送コストの上昇でさらに圧迫されている。
生コンの買い手であるゼネコン各社は今春、東京地区生コン協組の要請額のうち500円分だけを受け入れた。
その後に生コン協組はコスト上昇分を転嫁し切れていないとしてさらに受入れ幅の拡大を求めた。今回ゼネコンは100円分の上乗せについて合意したという。200円分上乗せを認めたケースもあるようだ。大手を含む複数のゼネコンの購買担当者が値上げ受け入れを認めた。
東京市場では生コン需要が盛り上がっている。東京地区生コン協組の生コン出荷量は今年5月まで6か月連続で前年実績を上回っている。築地市場の移転先である江東区豊洲の新市場向けや、オフィスやマンションの複合施設の工事が相次いでいるためだ。
(以下省略)
2015年6月13日 日本経済新聞