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2015年5月17日
いつも快適な家 追及
住宅・住設機器メーカーがIT(情報技術)を活用して住まいの快適さを向上する「スマートホーム(賢い家)」の開発に力を入れ始めた。室内の温湿度などの情報をインターネット経由で集めて分析。住人の体調管理を促し、心地よい室内環境を自動制御で実現する。人口減少で住宅着工が先細るなか、データ分析による快適さの追求が住宅業界の競争軸のひとつになりそうだ。
積水ハウスは高齢者らの健康状態を見守り、熱中症や温度差で体調が急変するヒートショックを防ぐ住宅の開発に乗り出した。全国で100人の協力を得た実証実験を昨年から始めており、今年11月まで続ける。
心拍数やストレスの状態と、室内に設置した温湿度センサーの情報を併せてクラウド上で分析する。体調に異変が生じる可能性があればタブレット端末を通じて警告する。数年内に実用化する考えだ。
ミサワホームは顧客の協力を得て、人間がぐっすり眠れる環境を割り出す実験を茨城県内で昨秋実施した。近く2回目を始める。ベッドの傾きから測定する寝返りの回数や温湿度、明るさと睡眠との関係を探る。家庭向けエネルギー管理システム(HEMS)や空調、照明を連動させたシステムの開発につなげる。
住宅設備大手のLIXILは千葉県内の実験用住宅で窓とエアコンが連動し、自動で温度調整や換気をする実験を続けている。約200個のセンサーを取り付け、照明も自動制御する。
各社の取り組みはネットにつながることで快適さと安全性を高めるが、個人情報流出のリスクもある。各社はセキュリティー対策を進めながら、技術の実用化を急ぐ。
2015年5月15日 日本経済新聞 夕刊