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2013年7月8日
滝のような雨 3割増
過去30〜40年 今後も増加の予測
1時間に50ミリ以上の「非常に激しい雨」が降る頻度が、過去30〜40年で3割余り増え、今世紀末ごろには現在の1.65倍に上る恐れがあることが気象庁の分析でわかった。都心で突発的な「ゲリラ豪雨」が増えていることも判明。気象庁は近く公表する「気候変動監視レポート」で、風水害の危険について警鐘を鳴らす。
分析では、全国の降水量観測点(アメダス)で1時間に50ミリ以上の雨を観測した年間回数を集計。観測点が年々増えていることを考慮し、1千地点あたりの数に計算しなおして比較した。滝のように降り、傘が役に立たず、車の運転が危険になるような雨量だという。
気象庁によると、1976年〜85年は平均で年174.4回だったが、直近の10年は236.4回に。10年あたり21.9回のペースで増えていた。スーパーコンピューターを使った試算では、2076〜95年は年390回に達した。
一方、傘下の気象研究所は、太陽熱をコンクリートの建物などがためこみ、気温を上げる「ヒートアイランド現象」の影響が顕著な夏の夕方から深夜にかけての雨量データを過去約120年分、調査。東京都心では、ゲリラ豪雨のような突発的な雨の量が100年間あたりで48%増えていた。大量に降る日と全く降らない日の二極化が進んでいるという。
一般に気温が上がると、大気中に取り込んでいられる水蒸気量が増えるため、雨が激しくなりやすい。地球温暖化で、日本の年平均気温はこの100年間で1.15度上昇。東京都心を始めとした都心部は、ヒートアイランド現象でさらに1〜2度程度高く、ゲリラ豪雨につながる上昇気流も生まれやすいとされる。
気象研究所の藤部文昭・環境・応用気象研究部長は「地球温暖化と都市化で今後、水害の危険はさらに増すだろう。東京都心だけの問題とみるのではなく、今後の広がりを中止する必要がある」と話す。
2013年7月8日 朝日新聞