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2013年3月4日

防火サッシの価格が2倍に!?

今春をめどに「個別認定」に切り替えへ
1棟100万円のコスト圧力
性能底上げ加速するきっかけにも

  2010年に発覚した防火サッシの大臣認定不適合に端を発した行政指導により、大手サッシメーカーが個別に大臣認定を取得した製品を昨年末から市場に投入している。新製品の価格は、切り替え前の製品の約2倍となる。都市部の家づくりのコストやデザインに影響を与えそうだ。
 LIXIL(当時トステムと新日軽)、三協立山の三協アルミ社(当時三協立山アルミ)、YKK APは現在、3〜6月をめどに「個別認定」による防火サッシへの切り替えを順次進めている。切り替え品の価格は、種類にもよるが、おおむね従前品の2倍だ。
 価格が高くなる主な原因は、認定方法が変わったため。
 サッシメーカー各社は従来、業界団体のカーテンウォール・防火開口部協会(カ防協)が取得してぃた「通則認定」を使って製品を製造していた。 この「通則認定」にもとづいてつくられた製品が性能を満たさなかったことから行政指導が入り、今回の「個別認定」への切り替えとなったわけだ。
 文字どおり製品ごと個別に性能試験を受けるため、その分、開発費などのコストは増加。仕様も見直された。それが製品価格に反映されたかたちだが、都市部の工務店・ 住宅会社からは価格上昇に対する不満の声があがっている。
 首都圏のあるビルダー は「1棟あたり100万円くらいのコストアップになる」といい、進行形で契約の話まで進んでいた顧客に「製品切り替えにともなう価格の上昇を説明しきれない」と話す。ただし今後については、コンプライアンス(法令順守)の観点から「仕方ない」という声も少なかった。
 樹脂サッシメーカー 大手のエクセルシャノンは、今春をめどに新規受注を本格展開していく。新製品の防火用樹脂窓「シャノンウィンド―タイプEC」で、防火サッシ市場での巻き返しを図っていく考えだ。
 同社は2009年1月に自社製品の防火性能不足が判明したと発表。以来、性能不足の製品を使っていたュー ザーへの補償・取り替えを最優先にして、新規の受注は極力抑えてきた。その作業も今年2月時点で95%に達し、「特殊な事例を除けばほぼ完了」。今後は新規受注への対応を強めていく。
 今回のアルミ樹脂複合サッシの製品切り替えは、まだ完全ではなく、商品ラインナップが少なくなり、モノによっては品薄状態になる可能性もある。同社ではこうした市場の動向に対応するかたちで、新たな製品の普及促進に本腰を入れていく。
 同社の新製品も割高になっているため「アルミ樹脂複合サッシの個別認定品と比べ割安感が出るかどうかはわからない」としながらも「これからは一定以上の断熱性能をもっ住宅づくりにいかに取り組めるかが問われる時代。当社の製品にも十分な競争力がある」(営業担当者)と話す。
市場が再スタート
 今回の行政指導による通則認定品から個別認定品への切り替えは、アルミ樹脂複合サッシのみが対象だ。が、LIXILをはじめ三協立山、YKK APもアルミサッシや防火ドアでも個別認定品への切り替えを進めている。
 こうした方針は国のすすめるところで、通則認定品の販売終了を機に「防火サッシ・ドアの市場は再スタートを切る」(あるメーカーの営業担当者)というように、製品ラインアップが一新。市場の勢力図が変わる可能性もある。
 また工務店・住宅会社は今後、新たな価格帯への対応やプランの見直しを迫られることにもなりそうだ。
        新建ハウジング 平成25年2月28日

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