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2013年2月16日

空気清浄機 中国で特需 〜日本製、売れ筋6万円超〜

 深刻化する中国の大気汚染をきっかけに、日本メーカーの空気清浄機が中国で売れ行きを伸ばしている。6万円以上する高級機が飛ぶように売れ、販売台数は前年の2〜3倍に。反日ムードがまだ残る中でも「特需」になりつつある。日本国内でも、汚染物質の飛来を心配して買う人が目立ち始めた。
 中国の空気清浄機市場(2012年で推計約100万台)でシェア3割弱を握るパナソニック。1月から、広東省の工場で空気清浄機の生産量を通常の1.5倍に引き上げ、増産が続く。
 この冬、工場のばい煙や車の排ガスが発生源で、直径2.5マイクロメートル以下の粒子状物質「PM2.5」による大気汚染が深刻化。中国国内の販売台数が1月に前年同月比で2.2倍と急増したからだ。
 2月に入ってからも、家電量販店や百貨店からの追加注文が雪だるま式に増えている。
 日本製品の多くは、PM2.5を除去する高い性能があると中国の政府系機関から認証を得ていることに加え、加湿などほかの機能も多彩なことから人気が過熱。シャープやダイキン工業もそれぞれ、1月の販売台数が前年同月の3倍、3.6倍になった。
 売れ筋の中心も今は約4500〜5千元(約6万7千〜7万5千円)の高性能機種に移ってきており、シャープの担当者らは「日本市場より高い製品が売れている」と驚く。
 昨秋には尖閣諸島を巡る日中対立で日本製品を店頭から外す動きも出たが、健康の分野では日本の技術が支持されており、需要は急回復。「反日より命」といった言葉もネットメディアなどに登場しているほどだ。
 「今の状況が続けば不買運動でのマイナスを取り戻せる可能性もある」(パナソニック)との期待も広がる。
 また、PM2.5は国内にも飛来しているとされ、1月末ごろから西日本を中心に環境基準を上回る観測例が相次ぐ。パナソニックは国内販売台数も2月以降、前年同期の1.6倍の水準になった。
 家電量販大手のヨドバシカメラの店頭でも「PM2.5の対応機種はあるのか」といった問い合わせが急増。マルチメディア梅田店(大阪市)では昨年の2倍以上の売れ行きを示す商品も出ている。マルチメディア博多店(福岡市)でも、売れ筋商品の価格帯が4万円前後と昨年より1万円以上、上がったという。
 春の花粉シーズンの到来とも重なり、メーカー各社とも増産を急いでいる。
              2013年2月16日 朝日新聞

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