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2012年6月12日

「太陽発電」期待したらバカを見る!

 昨年8月に成立した再生可能エネルギー特別措置法で、この7月から固定価格買取制度がスタートし、新制度で出力10キロ以上の場合、価格は42円/キロワットの予定で20年間の買取が義務づけられた。

 これに対し日本エネルギー経済研究所客員研究員である木船久雄学長は以下のようにコメントしている。

<特定事業者を優遇して>

 「価格も買い取る量もあらかじめ決まっていて、期間は10年、20年という長さ。でも、人間ってそんなに将来のことを想像できますか。実際、“100年安心の年金制度”は2年で破綻したではないですか。今回の制度は、市場メカニズムも何もない。特定の利権者を優遇する制度で、しかもその負担を税金という目に見えやすい形でなく、電気料金への上乗せで処理しています」

 「また戸建の住宅を持つ層は利益を得られるが、集合住宅に住む人にはチャンスがない。それなのに、電気料金という形で負担は求められる。日照時間が多い太平洋側と、少ない日本海側とでは受けるメリットが違うのに、負担が同じだというのもおかしい」

 先進国のドイツでは「固定価格買取制度で一時成功していましたが、今はどんどん買取価格を安くしています」「本来、太陽光発電は屋根貸しで土地代が掛からない場合を想定したものでした。ところが、ソフトバンクの孫正義社長が高い土地賃借料を支払って事業化すると言い始めた。42円とはおそらく政府が、孫社長が高い賃借料を支払っても事業が行える水準に設定したもので、特定事業者への優遇措置としか言いようがありません」

<中国企業が潤うだけ>

 メガソーラを展開して起きる別の問題についても「ドイツで一時、世界トップに躍り出た太陽光パネルメーカー、Qセルズが4月3日、破綻した。アメリカでオバマ大統領が補助金を与え続けてきたソリンドラ社も同様です。原因は中国パワーで、量産効果がある中国製品は、特に日本製の半値。日本でも中国メーカーが席巻すれば、日本の所得がそのまま中国に移転することになり、新産業創出どころではないのです」とコメントしている。

          平成24年5月24日 週刊新潮

 

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