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2012年4月3日
PM2.5=公害もたらす大気中微粒子 ―基準の20倍越え、市民に衝撃―
公害大国の中国で、今、人々の不安を最もかき立てているのは「PM2.5」だ。気管支炎やぜんそくなどの原因となる大気中の微粒子で、直径が2.5マイクロメートル以下のものを指す。排出しているのは主にディーゼルエンジンのトラックやバス。先進国では厳しい排出基準が導入され、すべてのディーゼル車が対策をとっているため、最近ではあまり問題にならないが、中国では対策が遅れている。
北京の米国大使館は昨年11月、北京の大気中のPM2.5が世界保健機関(WHO)の基準の20倍を超えるという検査結果を発信。「とんでもなくひどい」と表現した。中国政府は定期的に環境データを発表しているが、これほど悪い数字が発表されたことはない。
測定場所によって差が出るにしても米大使館のデータは市民に衝撃を与え、「PM2.5」は一躍、流行語になった。北京五輪前には澄んだ青空が増えた北京の空も、確かに最近は昔に戻った印象がある。 (編集委員 後藤康浩)
(平成24年3月24日 日経プラス1)