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2011年9月9日
プレハブ住宅 セキスイハイムが負け ―補修費用等を払うことに―
大手プレハブメーカーである積水化学工業の子会社「セキスイハイム近畿(株)」が施工販売した「セキスイハイム」に欠陥があり、その取り壊し建て替え相当費用を支払え!という判決がこの程、神戸地方裁判所から出たのでその概要を紹介する(澤田和也弁護士より資料提供)。
3千2百万円相当支払え
訴えたのは兵庫県三田市の建築主。訴訟の概要は次のとおり。
積水化学工業(株)やセキスイハイム近畿(株)等の被害に対して建て替え費用として連帯して3千226万3千円プラス金利を支払え!というもので、その事由は
(1) 敷地の軟弱地盤に対応していないため建物全体に不同沈下が発生し、構造耐力上の瑕疵がある(建築基準法施行令38条)。
(2) 基礎下部に捨コンが施工されていないこと
(3) 浴槽下の基礎が施工されていないこと
(4) 冬に2階トイレの給水管が凍結すること
(5) 2階和室外壁に漏水があること
(6) 床下断熱材の施工が十分でないこと
(7) 耐火構造仕様が注文時のカタログと異なり、説明がなかったこと等々。
消費者にも警告
これらの原告の請求に対して裁判官は
「本件には基礎が軟弱地盤に対応できていない構造上の瑕疵を含む重大な瑕疵が含まれているというべきであり、かつ瑕疵を含む本件建物を建築した被告・積水化学には、建物建築を請け負った業者として負う、瑕疵のない建物を建築する注意義務に違反した過失が存在するものと認められるから、被告積水化学は、不法行為責任として、本件建物に瑕疵が存在することによって生じた損害を原告に賠償する義務を負うものと認められる」とし、補修費用等2千802万円を払え、とした。
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原告の弁護に当った欠陥住宅を正す会の代表幹事であり、澤田和也弁護士は
「プレハブ住宅それ自体の他に、基礎や地盤補強に欠陥があったことが、取り壊し、建て替え相当の認定の要素となっているが、このことは、消費者は工場で造られるユニット型プレハブでも欠陥がありうるということ。それにプレハブ住宅と言えども地盤補強や基礎構造の選択が現場の実情に合わせて行うことの重要性を知って欲しい」と。また「プレハブ住宅会社は、大きいから大丈夫だ」という認識は改めるべきだ、と警告している。
平成23年9月5日 日本住宅新聞