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2011年1月12日
高断熱の家ほどぜんそくなど改善
住宅の断熱性が高いほど、せきやのどの痛み、アトピー性皮膚炎などの症状は改善される―。そんな結果が、近畿大の岩前篤教授(建築熱環境学)の調査で明らかになった。
調査は2009年11月〜10年1月、過去約10年間に転居した男女約1万9千人を対象にインターネットで実施した。
転居後の住宅の断熱グレードを、寝室の窓サッシの材質とガラスの枚数をもとに、断熱性が低い順に「2」から「6」まで五つの等級に分類。転居前にせきやアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎など9の症状が出ていた人のうち、転居後に症状が出なくなった人の割合(改善率)を出した。
前の家が戸建て住宅だった人(約1万人)でみると、もともと「気管支ぜんそく」の症状があった人の改善率は、等級3の家に転居した人は55%、等級4の家に転居した人は61%で、等級5以上の家に転居した人だと70%にのぼった。「アトピー性皮膚炎」の改善率は、等級3、4、5以上でそれぞれ36%、44%、58%だった。
前の家が集合住宅だった人(約9千人)もほぼ同様に、家の断熱グレードが高いほど改善率が高くなる傾向を示した。
岩前教授は「これまで、高断熱住宅に転居した人から『風邪を引きにくくなった』『アトピーが出なくなった』という話を聞くことが少なからずあった。今回の調査で、住宅の断熱性が健康に与える影響が相当、明確になったといえる」と話している。 (吉川一樹)
2011年1月11日 朝日新聞