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2010年1月12日
加速するエコハウス対応 新技術・新基準が普及前夜に
創エネ住宅
2010年は、太陽光発電や燃料電池による「創エネ」住宅が、大手ハウスメーカーを中心に標準化され、生活者の注目を集める。補助金や電力買取制度などの追い風も続く。
太陽光発電はコストダウンによって大容量化が進む。5kWのパネルを搭載した住宅商品も登場しそうだ。
太陽熱集熱パネルによる太陽熱給湯とヒートポンプ給湯、太陽光発電を組み合わせ各設備の「いいとこどり」をするハイブリッド型の創エネシステムも登場、注目を集めそうだ。
燃料電池についてもコストダウンが進み、普及に弾みがついてくる。供給側では、5年後に価格を3分の1程度に引き下げるビジョンを持っており、そこに向けて順次価格も引き下げられていきそうだ。
蓄電池とHEMS
創エネ住宅の次のステップが「蓄エネ」住宅だ。
太陽電池や燃料電池は、発電はできるが電気をためておくことはできない。蓄電池を搭載すれば、これらで発電した電気や割安な深夜電力を自宅に蓄えておくことができるようになる。
現在メーカーが蓄電池の試作を進めており、5kW程度の容量までは実用化のめどが立っている。現在蓄電池に使われているのは大型のリチウムイオン電池。自己放電が少なく一度の充電で長持ちする、継ぎ足し充電が可能などのメリットがあることがその理由。2010年はリチウムイオン電池の開発競争が加速する。
「HEMS」(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)の普及も創エネ・蓄エネ住宅の普及とセットで進む。HEMSは、発電機器や住宅設備、家電などをネットワークでつなぎ自動制御すると同時に、エネルギー使用量などを「見える化」するシステム。自動的に最適な省エネ運転がされ、その効果を手軽に確認できるようになれば、家庭での省エネは確実に進むと期待されている。
創エネ+蓄エネ+HEMSによって、理論的には、光熱費ゼロに加え、CO2ゼロも可能になっている。
積水ハウスや大和ハウス工業はいち早く蓄電池搭載住宅の投入を表明しており、他メーカーの参入も続きそうだ。
独基準のパッシブハウス
ドイツの省エネ住宅基準「パッシブハウス」が関心を集めている。パッシブハウスは1991年にドイツの「パッシブハウス研究所」によって確立された省エネ住宅基準で、ドイツ、オーストリアで普及が進んでおり、2011年までにEUの新築住宅のスタンダードになるとされている。
パッシブハウスの条件は、年間冷暖房負荷が15kWh/m2、年間一次エネルギー消費量が120kWh/m2(家電含む)、気密性能が50パスカル加圧・減圧時の漏気回数0.6回というもの。これを満たしていることを専用ソフトで評価する。条件を満たしている住宅はドイツ・パッシブハウス研究所から認定を受けることができる。
2010年には民間のパッシブハウス認定制度が日本でも立ち上がるほか、民主党議員が現状を視察、日本の省エネ基準のヒントとするとしており、一層注目を集めそうだ。
2009.12.30発行 新建ハウジング
住宅産業大予測2010