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2009年8月25日
知って安心 家電の「寿命」 標準使用期間表示 扇風機5〜10年 エアコン10年
家電などを長年使うとあちこちが傷んで火災などにつながる危険が高まるものだが、この「経年劣化」による事故を減らそうと、5品目の家電に「標準使用期間」を表示する制度が始まっている。制度の狙いと活用術を探った。(経済部 武石将弘)
この制度は経済産業省が4月に始めた。ここでいう標準使用期間は食品の「賞味期限」のようなもので、表示期間を過ぎると、経年劣化による事故の確率が高まるため、消費者は注意してほしいという内容だ。
ただ、期間内に製品が壊れても、期間外に壊れてもメーカーには無償修理などの義務はない。メーカーが示した期間はあくまで「目安」である点にも注意が必要だ。それでも、家電製品の“寿命”の相場がどんなものかを消費者が知っておく利点は十分にありそうだ。
表示の対象になっているのは▽扇風機▽エアコン▽換気扇▽洗濯機▽ブラウン管テレビ――で、4月以降に製造されたか輸入された製品だ。写真の扇風機のように製品の側面や裏側に表示シールが張られ、「製造年」「設計上の標準使用期間」が記されている。表示期間はメーカーや製品ごとに異なり、扇風機で5〜10年、換気扇で10〜15年、エアコンで約10年が相場だ。
独立行政法人・製品評価技術基盤機構によると、製造後10年以上がたち、経年劣化が原因と見られる事故は2007年5月〜08年12月までに170件に上る。このうちエアコンが34件、扇風機が19件、ブラウン管テレビが9件だった。
その主原因には、製品を長期間使用するうちに熱や湿気、ほこりなどの影響で内部の部品が老朽化し、配線のショートなどで発火や発煙を引き起こすといったものがあげられる。また、気を付けたい症状としては、「スイッチを入れてもファンが回らない」「モーター部分が異常に熱い」などがあるという。このような症状が表れた場合は、使用期間内か、そうでないかに関係なく、すぐ電源を切ってコンセントを抜き、買った店などに連絡すべきだろう。
2009年8月24日 讀賣新聞