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2009年1月9日
樹脂サッシ耐火偽装 5500棟使用 偽サンプルで「認定」取得
国土交通省は8日、サッシメーカーの「エクセルシャノン」(東京都)や「新日軽」(同)が、住宅やビルに使われる防火用樹脂サッシの耐火性能を偽装して、国交省の認定を不正に取得していたと発表した。
偽装サッシは、5社が販売をする計27種類に上り、北海道、東北地方を中心に少なくとも約5500棟で使用されているという。国交省では、大臣認定を取り消すとともに、各社に改修などを指示した。国交省によると、大臣認定を不正取得したサッシは、アルミではなく樹脂で出来ており、住宅やビルの外壁に取り付けるタイプ。エクセルシャノン製が約4100棟、新日軽製が約90棟に使われているほか、OEM契約(相手先ブランドによる生産)を結んだ「三協立山アルミ」(富山県)製などとして約1280棟に使用されている。
これらのサッシは、2003年2月〜08年7月に大臣認定を受けていたが、指定性能評価機関でサンプルによる性能試験を受ける際、火災の熱で膨張し窓枠などの隙間をふさぐ加熱膨張剤を、申請書類に記載した量より増やすなどしていた。実際に製造する際は加熱膨張剤を減らしていたといい、試験で耐火時間が20分必要なのに、13分しかなかったとされる。膨張剤を減らすことで、1枚あたり約1万円のコストダウンを図っていたという。
エクセルシャノン側の説明によると、一連の偽装行為は、同社の親会社の「トクヤマ」(山口県)が1995年に始め、エクセルシャノンが樹脂サッシ事業を継承した後も続けられた。同社と新日軽、三協立山アルミが中心となって開かれていた開発会議で不正を申し合わせ、大手建材メーカーの「ニチアス」の耐火性能偽装問題が発覚した07年10月まで続いていた。
同年11月に国交省が不正の有無を報告するよう求めた際、エクセルシャノンなどは「偽装はなかった」と報告、隠ぺいしていた。公開してこなかった理由について、同社の中村辰美社長は「改修用のサッシの用意がなかった」と釈明している。
国交省は財団法人「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」(03-3556-5147)に消費者相談窓口を設置した。
2009年1月9日 読売新聞より