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2007年9月7日
温暖化により埼玉県が海に沈む
地球温暖化が加速度的に進んでいるというIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の評価報告書が今年5月、公表された。1990年と比較した地球の平均気温が20年ごろには1度上昇し、40年には2度以上も上昇する可能性がある。
2〜3度上昇した場合には、地球全体に深刻な影響が及ぶ。全国地球温暖化防止活動推進センターの資料によれば、首都圏では東京湾岸部はもちろん、内陸の草加、越谷あたりまで海に沈む。太平洋からの海流が流れ込んだ霞ヶ浦が膨張し、柏・松戸エリアで東京湾とつながり、房総半島全体が島になってしまう。
温暖化の原因であるCO2の排出量削減を急がなければ、人類は今世紀を生き残れない可能性もあるのだ。住宅・不動産業界と密接な建築部門は、温室効果ガス排出量削減のポテンシャルが一番大きいと同評価報告書は指摘する。我が業界の社会的責任は極めて大きい。効果的な削減方法は、新築はもちろん、既存建物も含めた断熱性向上(改修工事)、高効率な照明器具などを導入することだ。
更に重要な指摘がある。日本は国土面積の約7割が森林で覆われているにもかかわらず、木材輸入率は80%で、世界一高い。国産材よりも外材が圧倒的に価格が安いからだ。森がよみがえればCO2の吸収率が高まる。国産材を住宅に活用する国家的プロジェクトを立ち上げる時だ。
〔住宅新報〕2007年(平成19年)9月4日