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2006年11月8日

温暖化、アフリカ大打撃 国連報告書 浸水洪水の被害7千万人・穀物生産も減

 「気象観測施設の整備を」

 【ナイロビ】国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)事務局は5日、地球温暖化がアフリカに与える長期的な影響をまとめた報告書を発表した。アフリカの途上国のほとんどが、海面上昇や降雨量の減少などで大きな打撃を受けると予想されるにもかかわらず、気象観測施設などが不十分で、温暖化への対応が困難な状況にあると指摘している。
 報告書によると、2100年までに温暖化で海面が15〜95センチ上昇すると予測した場合、2080年代には、アフリカで最大7千万人が浸水や洪水などの影響を受ける。ナイジェリアの商都ラゴスや、エジプトの観光都市アレクサンドリアの一部が水没などの被害を受け、タンザニアでは約2千平方キロが水浸しになるという。
 また、アフリカ経済の中心である農業も打撃を受ける。主要な穀物の生産高は今後、2080年代までに5%減少する。これは、アフリカ農業の95%以上が降雨に頼っているためで、温暖化による降雨量や降雨時期の変化が生産性を下げるとみられるという。
 気候変動は、多様な植生にも影響。アフリカ原生の5千種以上の植物のうち、25〜42%が2085年までに生息地を失い、絶滅するおそれがある、としている。(以下略)


〔朝日新聞〕 2006年(平成18年)11月7日

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