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2006年11月8日
売れ筋で見る消費 広がる「ポットで安否確認」
家族の単位が小さくなり、単身や二人暮らしが増えている中で、離れて暮らす家族をつなぐ技術が新たな消費を生み出している。
象印マホービンのサービス「みまもりほっとライン」の利用が広がっている。五千二百五十円の契約料と月々三千百五十円の利用料を払えば、無線LAN(構内情報通信網)内蔵の電気ポットがレンタルできる。
契約者は独り暮らしの高齢者がいる家族が大半。給湯などの使用状況が自動的にパソコンや携帯電話に送られるため、電話で直接話さないでも安否確認が簡単にできる機能が受け、昨年は過去最高の六百四十件の新規契約となった。
「葵ちゃん、今日も元気そうだね。顔が見られてうれしいよ」。宮城県登米市の平井保雄さん(55)夫妻はパソコンに向かって呼び掛ける。生後四ヶ月になる孫の葵ちゃんの成長ぶりをリアルタイムの映像で見たいため、東京に住む娘夫婦とパソコンを使ったテレビ電話を始めたのだ。
電話では分からない表情を伝えるウェブカメラは同じソフトを使えば通信代が無料となるため、「昨年を四割上回る売れ行き」(調査会社BCN)だ。
デジタルカメラで撮影した画像をネット上に掲載するニコンのサービス「オンラインアルバム」の会員も急増している。伝送すると画像が公開されるが、家族などパスワードを渡した人だけが見られるような設定も可能で、2001年の開設以来、会員数は増え続け約九万人に達した。
旅行中に撮った写真を祖父母らに見てもらう使い方を狙ってニコンは九月に無線LANを搭載したデジカメを投入。駅や空港などにある公衆無線LAN施設から伝送できる機能が評価され、堅調な売れ行きだ。
家族の距離を縮める役割を果たす技術を持つ商品やサービスへの支持は根強い。
〔日本経済新聞〕 2006年(平成18年)11月7日