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2014年7月11日
メタボ人口25%減 2020年目標 健康寿命1年長く
政府が今月下旬の閣議決定を目指す「健康・医療戦略」の素案が10日、明らかになった。健康寿命※を2020年までに今より1年以上延ばすことや、生活習慣病を引き起こす恐れのある「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」の人の割合を4分の1減らす目標を掲げた。国民の「健康度」を高めることで、日本が医療福祉先進国として世界をリードすることを目指す。
日本は平均寿命が男性79.94歳、女性86.41歳(12年現在)なのに対し、健康寿命は男性70.42歳、女性73.62歳(10年現在)にとどまる。政府は、高齢化の進展に伴い健康寿命を延ばす重要性が今後一層高まっていくとみている。
一方、メタボリックシンドロームの人の割合を、20年までに08年度比で25%減らすことも打ち出した。メタボの該当者は予備軍も含めると08年度で1400万人と推計されている。12年の調査では、15.6%がメタボ該当者だ。このため、40〜74歳を対象とした特定健診(メタボ健診)の受診率が12年現在で46.2%と低率であることから、80%に引き上げるとの数値目標も明記した。
医療産業の発展については、20年までに医療機器の輸出額を11年の約5000億円から約1兆円に倍増させることや、がん治療薬実用化に向け10種類の新薬の治験を始めること、日本の強みであるiPS細胞(人工多能性幹細胞)技術を使った新薬の臨床応用を進めることなどを盛り込んだ。
政府は来年4月、日本の医療分野の研究開発の司令塔として、米国立衛生研究所(NIH)を参考にした「日本版NIH」体制を整える。健康・医療戦略は、日本版NIHの活動の指針となる。政府は、素案に与党の意見を反映させ、今月中に閣議決定する方針だ。
※健康寿命
介護などを必要とせず自立して日常生活を送れる期間。厚生労働省の調査では、データのある01年からの9年間で、男性が1.02歳、女性が0.97歳、それぞれ延びた。健康寿命を延ばせば、介護や医療を受ける人が減ることで社会保障費が削減できる。また、労働者の数が増えることによる経済効果もあるとされている。
2014年7月11日 読売新聞