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2014年2月3日
建設業で人手不足 〜増える工事 減る若手職人〜
■現場に70歳
国土交通省の調査によると、建設現場で必要な職人の数に対する足りない人数の割合は、13年平均で1.6%となり、比較可能な1993年以降で最も高くなった。特に、「10年でようやく一人前になる」(建設業関係者)という型枠工やとび工の不足が目立つ。
十分な数の職人を当面、確保できないと見ている企業も、全体の3分の1以上を占めている。70歳以上の職人が働いているケースも少なくないといい、建設業界の労働組合である全国建設労働組合総連合は「足場が悪い現場もあり、無理をしてもらっているのが現実」と指摘する。
ある住宅メーカーは「工事のたびに大工を探している。このまま下請けが疲弊すれば、家の引き渡し時期に影響する」と懸念している。
■復興需要
建設業界で働く人の数は12年の平均で503万人と、ピークだった97年(685万人)より26%減った。仕事のきつさに賃金が見合わない、というイメージが強く、若者の数が減っているからだ。文部科学省の学校基本調査によると、11年に高校や大学を卒業して建設業に就職した人は約3万2000人と、97年の約7万人から半分以下に落ち込んだ。
バブル崩壊後の長引く不況によって工事が減り続けたことで、仕事から離れる人も多くなっている。下請け業者の6割弱が社会保険に加入していないなど、福利厚生が十分でないことも、建設業離れを加速させている。
一方、建設投資額は11年度の約42兆円で底打ちした後、増加基調に転じた。東日本大震災の復興需要に加えて、景気回復に伴うマンション建設などが増えているためだ。
今後も、東京五輪に向けて競技場を造ったり交通網を充実させたりする工事が増えるだけでなく、高度成長期に造られて古くなった道路や橋などを改修する必要もある。働く人が少ないにもかかわらず、工事が増えていけば、不足感はさらに強まりそうだ。(以下略)
2014年2月3日 読売新聞朝刊