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2013年9月28日

IPCC報告書「干ばつや洪水既に日常的」

 報告書の公表を受け、環境省などが東京で開いた記者会見。報告書の執筆者の一人でもある東京大大気海洋研究所の木本昌秀副所長は、異常気象の増加と温暖化の関連について、「個別の極端現象を温暖化と直接結びつけるのは難しいが、温暖化という背景がないと説明しにくい」と語った。
 この夏、日本では高知県四万十市で8月に国内最高の41度を記録したのをはじめ、各地で最高気温が塗り替えられた。6〜8月の平均気温は、西日本で平年より1.2度高く、1946年の統計開始以降、最高となった。東日本でも平年より1.1度高く、過去3番目の暑さだった。
 木本副所長は日本の記録的猛暑を振り返り、「めったにないことが続けて起こっている。気候が変わると、こういった現象が増える可能性があり、災害対策を講じてほしい」と話した。
 IPCCは今回、アジア、欧州、豪州で熱波の頻度や期間が20世紀半ば以降、増加している可能性が高いと指摘、その原因として、人間が石油や石炭を使うことで起きる温暖化を挙げた。
 今世紀末には世界中のほとんどの地域で、熱波や豪雨が増える可能性が非常に高いとも指摘している。
 5月に米国オクラホマでは大型の竜巻が発生。8月には中国、欧州、カナダで、日本と同じように、高温が続いた。中国やパキスタンでは大規模洪水も起きた。
 記者会見で世界気象機関のミシェル・ジャロー事務局長は「(報告書で検証した)多くの証拠が、気象パターンの変化や、熱波、干ばつ、洪水といった極端な気象現象の増加を示している。この10年の極端な気象は過去には見られない。報告は、すでに日常的に起きている極端な気象現象が将来どう増えていくか予測を示した」と語った。
 気象庁の定義によると、異常気象とは、30年に1回程度しか起きない非常に暑い日や寒い日のこと。温暖化がなくても、異常気象は一定頻度で起こる。
 ある日の気温は、その月の平均気温に近い確率が高いが、平均より暑い日も寒い日もある。ところが、温暖化で全体の気温分布が暑い方に移動すると、より暑い日が増え、記録的に暑い日も増えるようになる。IPCCが指摘するのは異常気象の強さや頻度が大きくなる長期的な傾向のことで、今年の夏の猛暑といった個別の現象を示しているわけではない。

          2013年9月28日 読売新聞

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