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2013年8月27日
開発、「価格」から「価値」へ 〜顧客目線で需要発掘〜
デフレ時代に市場が急拡大した小売りのプライベートブランド(PB=自主企画)。安さが代名詞だったPBが今、変わりつつある。
「超熟」に勝つ
「金の食パンはどこですか」。最近、セブン&アイ・ホールディングス傘下のコンビニエンスストアやスーパーでは来店客からのこんな問いかけが増えた。4月に導入したPB「セブンゴールド 金の食パン」。しっとりもちもちした食感とほのかな甘みが特徴だ。
価格は6枚入り250円。メーカー品の売れ筋トップである敷島製パンの「超熟」よりも6割高い。それでもセブン―イレブン・ジャパンやイトーヨーカ堂での売れ行きは計画比5割増し。セブンイレブンでの販売量は超熟の2倍に達する。
購入客のうち、ヨーカ堂では25%、セブンイレブンでは実に80%がそれぞれの店舗で過去に「一度も食パンを買ったことがない」という。消費者から広く指名買いされる金の食パンは売れ筋のメーカー品の「二番煎じ」という印象が強かったPBの変化を象徴する。
「消費者の節約志向は根強い。ただし、今までにない価値ある商品であれば高くても買う」。セブン&アイの鈴木敏文会長はこう断言する。
金の食パンのヒットを受け、セブンイレブンでは食パンの販売単価が2割上昇。ヨーカ堂でも1割上がった。価格から価値へと開発のかじを切ったPBは「脱デフレ」への一つの可能性を示す。(後略)
2013円8月27日 日本経済新聞