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2013年4月23日
家庭のお好み焼き粉 ダニアレルギー注意
開封後に常温で長期保存…大量発生する恐れ
家庭で調理したお好み焼きを食べて起こるアレルギー症状は、ほとんどの原因がダニ。こんな報告が相次いでいる。開封後に粉を常温で長期間保管すると、ダニが侵入し、大量発生する恐れがあるという。小麦アレルギーと誤診される場合もある。一方、低温状態ではほとんど増えないため、製粉会社などは、粉はできるだけ使い切るか、密閉して冷蔵庫に保管するよう注意を呼びかけている。
昨年4月、水戸済生会総合病院(水戸市)に女の子(11)とその母親(47)が受診に訪れた。自宅でお好み焼きを食べた後に、ぜんそくやじんましんのアレルギー症状が出たという。
診察した神崎美玲医師によると、2人が食べたお好み焼き粉から1グラム当たり2万2800匹のヒョウヒダニが見つかった。開封後に台所で常温保存され、賞味期限が2年以上過ぎていた。ヒョウヒダニは室内に生息し、ハウスダストアレルギーの原因となる。2人はハウスダストアレルギーはあったが、小麦アレルギーはなかったという。
食品害虫に詳しい食品総合研究所(茨城県つくば市)の宮ノ下明大・上席研究員によると、こうした事例は世界で菓子用のミックス粉を中心に約60例が報告されている。国内では2000年以降19例の報告があり、うち16例はお好み焼き粉が原因。いずれも家庭で調理したケースで、店で提供された事例はなかった。加熱しても死骸やふんなどがアレルギーの原因となるという。
日本環境衛生センター(川崎市)の橋本知幸・環境生物課長は「お好み焼き粉には小麦粉に加え、魚介類のエキスやアミノ酸が入っており、ダニが増えやすい環境だ」と話す。
東京都福祉保健局はウェブサイトで「開封後は早めの消費を」と呼びかけている。製粉会社も、開封後も密閉できるようにジップ付き包装に切り替えたり、「虫害による健康被害」を注意書きに加えたりしたほか、開封後はできるだけ早く使い切ることや冷蔵庫での保存を勧めている。
2013年4月23日 朝日新聞