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2012年11月21日
電通 「脳トレ」教授と商品開発
住宅や車10社も参加
共感の仕組み研究
電通は東北大学の川島隆太教授と共同で人間の脳が他人と共感する仕組みを研究し、消費者の共感を呼び起こす広告や新商品の開発に乗り出す。川島教授は人気ゲーム「脳を鍛える大人のDSトレーニング(脳トレ)」を監修した脳研究の専門家。認知神経科学の研究成果を活用し家族の一体感を高める住宅、心が通じ合う交流サイト(SNS)などを開発する。
来年1月をメドに共同研究組織「スマート・エイジング・ラボ」を設立する。産業界からは住宅・不動産、自動車、情報通信、教育などから10社程度の参加を見込む。
川島教授は近赤外光を頭部に照射し脳血流量の変化から20人の脳を同時に計測できるシステムを開発。最新の研究成果では、共同作業をしている集団の脳を計測すると、他人同士でも脳活動のパターンを示す波形が一致する場合があることがわかっており、「人と人が共感を覚えるときの脳の仕組みを解明できる」(川島教授)可能性があるという。脳が共感する仕組みを解き明かすことで新しい商品、広告手法の開発を目指す。
例えば、家族の一体感を高める住宅の開発では、脳活動の計測装置を装着した家族にモデルハウスで過ごしてもらい、家族が鍋を囲むダイニングの広さ、照明、空調、建材の種類などの最適な条件を研究する。自動車メーカーとは、同乗している仲間同士が楽しさを共有しやすい車内空間を考案する方針。ブレーンストーミング(自由討議)が活発になる会議室などの開発にも取り組む。