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2011年4月5日
震災情報装うウイルス〜添付ファイル開くとデータ流出〜
「計画停電に関する対応表です」。そんな震災関連の情報提供を装うウイルスメールが東日本大震災後に相次いでる。添付ファイルを開くと、パソコン内のデータを流出させるウイルスが動き出す仕組み。業界で注意を呼びかけている。
セキュリティーソフト大手のトレンドマイクロによると、手口はこうだ。
「総務」や「管理」を名乗る送信元から計画停電や原発事故、津波などへの対応を記したメールが届く。「添付ファイルをよく読んでおいてください」といった指示がついている。文書や表のファイルを開くと停電への対応表や原発事故の説明文が表示される―。だが、この時、パソコン内ではウイルスソフトが起動し、自動的に個人データがパソコンから流出する。遠隔地からパソコンを操作できる状態になり、すべてのデータが取り出せるようになってしまうという。
こうした悪質なメールは震災後に40件以上確認された。大半は大手企業や官公庁などが標的で、個人情報などを得る目的があるとみられている。トレンドマイクロの調査では、一部は中国国内のシステムから送信されていたが、発信元は特定されていない。
同社は、ウイルス感染してもデータが漏出しない機能の開発などで対応を急いでいるが、「ふだん以上に不審なメールは開かないようにしてほしい」(広報)としている。 (野村周)
平成23年4月5日 朝日新聞