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2010年5月27日
ダイソン掃除機・やけど多発 コード交換9万4千台
英国メーカーのダイソンのサイクロン式掃除機「DC12」でやけど事故が多発している問題で、同社が販売台数の約1割にあたる9万4千台について、原因の電源コードを無償交換していることがわかった。コードの異常の訴えがあった1万6千台に加え、別のパーツの修理依頼があったものも含んでいる。
同社によると、この掃除機は2004年6月に販売が始まり、これまでに約95万台売れている。
コードの差し込みプラグ付近が断線して火花や煙が出たり、プラグが過熱したりする事故が07年6月以降に26件起き、24人が指などに軽いやけどをしたという。
同社はこれまでにコードの異常の訴えがあった1万6700台についてコードの無償交換に応じたほか、別のパーツの修理依頼があった7万7800台についてもコードの無償交換を同時に実施した。ただ、全使用者を対象としたリコールは実施していない。「コードを無理に引っ張ったりねじ曲げたりしたためで、正しく使えば事故は防げる」としている。
製造物責任(PL)法訴訟に詳しい中村雅人弁護士は「使用者の間に不公平が生じないよう、全使用者に伝わるように交換を呼びかけるべきだ」と指摘している。
同社はホームページで、コードに異常があれば、お客様相談室(0120-295-731)に連絡するよう求めている。後続の「DC22」などではコードの異常は起きていないという。経済産業省によると、サイクロン式などの大出力掃除機で、配電電圧を海外仕様(230ボルト)から日本仕様(100ボルト)に変更した製品は、コードに流れる電流が約2倍、発熱量は約5倍になり、被覆が熱で軟らかくなりやすく、断線しやすいという。 (茂木克信)
2010年5月26日 朝日新聞夕刊