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2006年11月6日
成長を考える より 外国人は「文明ヲ利ス」の一部抜粋
内外問わず活用
国内の担い手減少を外国人への「市場開放」で捕ってきた大相撲。幕の内の三分の一が外国人となった今はモンゴル出身の横綱・朝青龍らの活躍に沸く。秋場所では懸賞総本数が千二十一本と史上最多を記録した。外国文化と「国技の伝統・格式」との調和に苦労しながらも、新たな成長期を迎えたようにみえる。
開かれた金融市場が英国の経済活性化の原動力になったことを、世界中の有力プレーヤーが参集するテニス大会になぞらえて「ウィンブルドン現象」と呼ぶ。大相撲ナイゼーションもこれと同じ。内外を問わず実力がある人材や会社を活用すればその刺激で足し算以上の効果が生まれる。
「外国交際は(略)刺衝と成るべきか故に、却(かえ)って之にかりて大いに我が文明を利すべし」。福沢諭吉は約百三十年前、「文明論之概略」でこう説いた。外国との交際は国民にとって刺激となるから、大いに活用すべきだ、と。
西洋から学ぶ一方だった当時とは違う。だが、「外」「異文化」を取り込んで成長の糧とすることの大事さは時代が下がっても変わらない。
〔日本経済新聞〕 2006年(平成18年)11月4日