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2014年8月13日
大気汚染ガス「過小評価」海洋機構検証
人工衛星を使った大気汚染ガスの観測データは、大気中を漂う微小粒子状物質「PM2.5」が観測の邪魔となり、実際よりも濃度を3〜5割ほど過小評価していた恐れがあるとする研究結果を、海洋研究開発機構などのチームが11日、欧州科学誌に発表した。
地上から精密に測った二酸化窒素(NO2)の濃度を衛星の観測と比較した。今後、大気中の汚染物質の動きを正確に解析するのに役立つ成果という。
海洋機構の金谷有剛氏(大気化学)は「人間の活動による環境への影響が、想定以上に及んでいる可能性がある」と話している。
NO2は工場や発電所などから排出される汚染ガス。チームは神奈川県や長崎県など国内外の7地点に観測装置を設置。2007〜12年に計測したNO2濃度を、米航空宇宙局(NASA)などの衛星の観測値と比べた。その結果、衛星のデータは地上の観測より3〜5割低かった。
衛星は、地上で反射した太陽光を利用してNO2を観測する。チームは、PM2.5によって太陽光が反射してしまい、地表に近いところのNO2を見逃しているとみている。
2014年8月12日 日本経済新聞