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2013年1月19日

太陽光偏重に課題〜買い取り額維持 消費者の負担重く〜

 経済産業省が再生可能エネルギーの買い取り価格をほぼ維持する見通しの背景には、関連投資の盛り上がりを支え続ける狙いがある。制度の発足からまだ半年で、価格改定の根拠となるデータも不足している。ただ、発電コストの高い太陽光に投資が集中すれば、電気代を通じて消費者の負担増に跳ね返る。比較的安価な風力や地熱発電の拡大が今後の課題になる。
 昨年7月に始まった固定価格買取制度では再生エネの拡大に向け、法律の施行から3年は再生エネ事業者の利潤に特に配慮するよう法律の付則で決めている。事業者からは「新制度の立ち上げから1年もたっていない。再生エネの拡大から逆行する政策はとってほしくない」(大手事業者)との声も強い。
 ただ、買取の原資になっているのは、電気代とともに徴収している1世帯当たり全国平均で毎月87円の賦課金だ。国民が負担増を受け入れて再生エネの普及を手助けしている構図だが、産業政策の公平性の観点から一部の事業者に過大な恩恵を与えているとの批判もくすぶる。
 特に太陽光発電の買い取り価格は現在1キロワット時42円と比較的高く、太陽光に投資が偏れば、賦課金もさらに上がると見込まれる。太陽光発電は昼間に限られる稼働率の低さなど弱みを持つ反面、パネルの設置の容易さなどから参入が急拡大している。特需が膨らみすぎ、反動減やエネルギー供給の安定度を欠く点を危ぶむ声も出ている。
 発電コストが太陽光の3分の1から半分程度で済む風力発電や地熱発電の普及に向け、規制緩和や送電網などインフラ整備が今後重要になる。

           2013年1月19日 日本経済新聞

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